2013年12月12日木曜日

『千年の愉楽』鑑賞


『千年の愉楽』若松孝二監督

ある港町に生まれた呪われた血を持つ3人の美しい男たちと、それを取り上げた産婆の物語。
年老いた産婆が死に際の寝床の中から昔を回想する構成になっている。
高良健吾も高岡蒼甫も染谷将太も色っぽく、男前でした…が、これこそ大西信満を起用してもよかったのでは?高岡蒼甫は爽やかすぎたような。
カメラの謎のズームインや、ロケーションにところどころ現代が見えるのが気になってしまいましたが…
神話的な自然のカットや、民謡がいい効果出してたと思います。

『ラースと、その彼女』鑑賞


『ラースと、その彼女』 クレイグ・ギレスピー監督

兄夫婦に実家を譲り、隣のガレージに住んでいる内気で孤独な男性ラースが、ある日ラブドールを恋人として兄夫婦に紹介する。気が狂ったと取り乱す兄夫婦だが、ラースの妄想を受け入れ、町の人々もそれに協力し、ラブドールを本物の人間のように扱う。
是枝監督の『空気人形』もラブドールを扱った映画だが、こうもアプローチが違うものかと感心。
とても美しく愛しい映画でした。
おもしろおかしい部分もあるけれど、とても穏やかでやさしい話。
ラースが妄想を克服するために成長していくにつれて、いつのまにか周りの人間も成長していくというか。
せつないけど、とても心地良かった。
しかし、海外の話だから信憑性が出るというか、ありえそうと思えるのだけど、日本だとそうはいかなさそうだなあ。
なんの変哲もない日常として教会でのミサや、信仰の話が出てくるわだが、なんとなくキリスト教という宗教の信仰がある環境で起こる話だから成立するもののような気がしました。

『らくごえいが』鑑賞


『らくごえいが』遠藤幹大、松井一生、坂下雄一郎監督

東京芸大院映画コースのオムニバス作品。
古典落語を原作に描かれた3本の作品。
映画鑑賞後に原作の落語も聞いてみましたが、全然違うというか、キーワードを拾ってそこから新たに物語を創造したという印象。
個人的には3本目の『猿後家はつらいよ』が一番おもしろかった。
自分が映像業界に関わっているからかもしれないが、撮影現場の空気やいざこざなど、まあ、あるある感も楽しみつつ、面白い構成になっていた。
オープニングの劇中劇を本編かのように一連で見せて、カットがかかった瞬間にスタジオの風景がうつり劇中劇であることを見せるのはとてもいい演出。
1本目の『ビフォーアフター』も若干映像業界あるある感もありつつ、なんかさらーっと見れすぎてしまう印象。
2本目の『ライフレート』もおもしろかったが、ちょっと疑問が残りつつ、先も読めたような。
TEAM NACSしばりだったのはなんでなんだろう。

『舟を編む』鑑賞


『舟を編む』石井裕也監督

三浦しをん原作、辞書をつくる編集部の物語。
予告編だけ見ると恋物語のように見えて、少し敬遠していたのだが、
実際は辞書編集に関わる物語がほとんどで、その時間の流れの途中にあるだけというか、メインにはなっていなかったのでよかった。
ラブストーリーを否定しているわけではなく、恋愛は人生そして映画における重要なものだと捉えていますが、なんというか。
あと、宮崎あおいが、なんだろうなあ、飽きてきました…
映画はとてもよかったです。
辞書をつくるってかなり未知な世界のことを観れたのはとてもおもしろかったし、
そこで起こる人間関係も柔らかく、心地よかったです。
松田龍平も素晴らしくよかった。
石井裕也作品では一番好きだと思いました。

2013年12月5日木曜日

『ジ、エクストリーム、スキヤキ』鑑賞


『ジ、エクストリーム、スキヤキ』前田司郎監督

五反田団の人だったのか、監督は…
主人公の男二人のちょっとこっ恥ずかしいような馬鹿でくだらないギリギリおもしろいかおもしろくないか、の絶妙な掛け合いが腑に落ちた。
そう言われてみると舞台の雰囲気のあるセリフというか演出というか。
舞台だったらもっと笑えたんだと思うのだが。
しかし、空気感の作り方が非常に上手いと思った。
ドライブ帰りの車内の気だるい空気感に観ているこちらも包まれたし、
飲み会後、何人か寝てる中での少し真面目な話をする雰囲気にも飲まれたし。
ちょっと掛け合いの構成にリアリティがありすぎてダレてしまうのも否めない。
やはり映画なのでもっと映像で観れるところや時間の操作を感じたい。

『Playback』


『Playback』三宅唱監督

記憶を思い出していくうちにどんどん曖昧になっていくような、
記憶が歪んだり、消えたり、増えたり、いつの間にか妄想に変化していくような、
あの独特の感覚を、それも他人の記憶が変化していく過程を映像で体験しているような、
とても不思議な感覚に陥った。
少しずつ変化して繰り返される時間や、断片的なカット、音。
選択と結果、選択と結果。
デジャブのように同じ行動やセリフが繰り返されるときに生まれるカタルシスも快感だが、それが裏切られたときもまた快感。
そこにある違和感にぞっとしながら、一方では何か切ない気持ちになる。
私がこの映画を記憶として思い出すたびに、また新たなストーリーとなる。
村上淳と渋川清彦の掛け合いが楽しく、切なく、とてもよい。
スケートボードの音が耳に残っている。
劇場からの帰り、スケートボードの走る音がどこかから聞こえ、ハッとした。

『鍵泥棒のメソッド』鑑賞


『鍵泥棒のメソッド』内田けんじ監督

上手く組み立てられたストーリー。
純粋におもしろかった。
香川照之の演技はさすが。

『テッド』鑑賞


『テッド』セス・マクファーレン監督

洋画は字幕派なので字幕で鑑賞。
有吉の吹き替え版もあとで観てみようと思いますが。
大変笑いました、おもしろかった。
セリフもおもしろいですが、細かい演出がすごく笑える。
久々にコメディ映画を見たので楽しかった。
ミラ・クニスは本当にセクシーで美人。

2013年10月2日水曜日

『そして父になる』鑑賞


『そして父になる』是枝裕和監督

映画の日だったので映画館へ。
最初『凶悪』を観ようと思ったが売り切れていたので変更。
『ぐるりのこと。』もだが、リリー・フランキーすごくいいなあ。
子どもを取り違えられて6年間過ごしてきた二組の夫婦。
福山雅治と尾野真千子演じる夫婦は東京に住む裕福で都会的な核家族。
リリー・フランキーと真木よう子演じる夫婦は地方に住む庶民的な大家族。
子どもに対する接し方も考え方も違い、取り違えられた子どもの育ち方も違う。
この設定だけでも相当ハラハラする。
是枝監督はやはり子どもたちの描き方というか撮り方が素晴らしい。
とてもナチュラルで活き活きとしている。
福山演じる仕事第一のやや厳格な父親がより父親らしくなっていく姿はぐっときた。
概ね涙ぐんでしまっていたが、最後の福山が血縁ではなく自分の子どもとして育ててきた他人の子との時間の大切さに気づくシーンはとんでもなく素晴らしい。
それに声をかける尾野真千子のセリフも表情も素晴らしかった。
泣かない訳がないだろうと思っていたが、泣かない訳がなかった。
子どもたちとリリー・フランキーのやりとりもとてもキュートで笑えた。
とても考えさせられる作品。

『ぐるりのこと。』再鑑賞


『ぐるりのこと。』橋口亮輔監督

公開当時に映画館で観たのだが、久々に観たくなってレンタルしてきた。
映画館で観たとき、隣の客が酔っ払ったカップルでときどき喋ったり笑えるシーンじゃないのに笑ったりして気が散って仕方なかったのを覚えている。
つまり、映画に集中できなくておもしろかったけどなんだか印象がぼんやりしてしまっていたのである。
1993年から10年に渡る夫婦の物語。
リリー・フランキー演じる優しいけどダメな夫がとても魅力的である…
木村多江は少々オーバーというか芝居らしい芝居をするのだが、後半で取り乱して泣くシーンはとても素晴らしい。
終始人間の可愛らしさというか生臭さがすごくて素晴らしい演出。
喧嘩のセリフや、泣き喚いてなだめられたあとのちょっと冗談を言う感じとかがすごく共感できる。
夫の法廷画家という職業を通してその時代の事件が描かれることで時の流れも感じられるし、普段見ることができない法廷の様子もおもしろい。
冒頭の方で夫は日本画を専攻していたことがセリフの中で判明するが、後半で妻が寺の天井画を描くことになって「もう何年も描いていないですし」と言っていることで恐らく同じ大学で出会ったという語られてはいないけど二人のなれそめも想像できる。
いろいろ面倒で嫌なことがたくさん起きるが、すがすがしい愛おしい気持ちになれる映画。

2013年10月1日火曜日

『ドッペルゲンガー』鑑賞



『ドッペルゲンガー』黒沢清監督

黒沢清作品コンプリートへの道…
ドッペルゲンガーということで主演の役所広司が同じ画面に2人登場するわけだが、
その合成がとても上手くできていてすごい…
DVDに合成のネタばらし特典映像がついていたが、感心した…
合成使わず、画面分割で演出したり工夫が凝らされていた。
最後の方ドッペルゲンガーがあんまり関係なくなってきていて笑った。
死んだはずの人間が何度も登場して殺したりまた死んだり、関係あるといえばあるのか。
確かにこれは本物かドッペルゲンガーかと考えさせられて、いい演出。
しかし人工知能の機械が自ら身を投げるところはぐっときたというか、泣けたというか。
なんだろ、はやぶさ探査機のように命ないものが命あるかのように振る舞うと愛着がわくのが人間なのだろうか。
黒沢作品はストーリーがおもしろいだけじゃなく、画もかっこいいし編集もドキドキするから素晴らしい。

2013年9月27日金曜日

グリーンスムージー

グリーンスムージーを始めたのは2年前くらいだろうか。
全く継続して飲んではおらず、たまに思い出したように飲む。
飲み始めると1週間ほど続けるが、また面倒になったり果物を買う余裕がなくなってやめる。
なんとなく最近不摂生だなと思うと再開する。
野菜ジュースやフレッシュジュースが好きなので味的には全く難なく飲むことができる。
しかし、公式サイトにも書いてあるが好転反応なのか久々に飲むと必ず頭痛になる。
偏頭痛持ちだがそれとはまた別の痛み、頭頂が鈍く痛む感じ。
身体とは不思議だなと思うのだった。
梨の美味しい季節だ。

2013年9月16日月曜日

『午前3時の無法地帯』鑑賞


『午前3時の無法地帯』山下敦弘監督、今泉力哉監督

映画ではなく配信ドラマを繋げたもの。
TSUTAYAの新作コーナーで発見したのだが、山下監督×今泉監督の名前と似つかわしくないパッケージと出演者でこんな企画あったのかと驚愕しつつ借りてみた。
原作は漫画でパチンコ専門デザイン会社で働く新人デザイナーの仕事と恋愛を描いた物語。
本田翼の演技は置いといて、話はまあベタだがおもしろかったし、山下監督や今泉監督ならではの演出もあり。笑えるし、各キャラも立っていてよかった。
ドラマらしい演出になっていて久々になんだか胸キュン的なものを得た気がする。
山下監督のインタビューを読んで、映画とは違ってドラマは家で何かしながら見るものだから考えさせるよりも見せることに徹したと言っていてなるほどなあと思った。

2013年9月15日日曜日

『海辺へ行く道 冬』『海辺へ行く道 そしてまた、夏』読了

海辺へ行く道 冬』三好銀著
海辺へ行く道 そしてまた、夏』三好銀著
読書録といっても漫画である。
久々にヴィレッジヴァンガードに行ってみた、しかも下北沢。
下北沢にお気に入りの猫カフェがあるのだが、大して猫は相手してくれないので本を持っていったりしないと間が持たないのである。
その本を買うために少々恥ずかしい気持ちを抑えてヴィレヴァンに行った。
ヴィレヴァンが恥ずかしいのは自分が薄汚れてしまった証拠だなと思う。
もっと純粋に(?)サブカルを追い求めていた頃はヴィレヴァンは聖地であった。
というかあの頃はサブカルをサブカルと思っていなかったというか、ただの新しい趣味だった。
あと新品の値段で本を買う余裕がなくなったせいもあり、行かなくなった。
脱線したが、最近の流行には全く疎いので漫画や本はジャケ買いである。
この2冊は表紙が素晴らしく魅力的だったので選んだ。
1冊800円は高いが、給料が入ったところだったのでよしとした。
猫カフェに入店し、やはり猫はあまり相手をしてくれないので漫画を読む。
(なぜ猫カフェに行くのかと言われそうだが、恐ろしいほどに猫が好きであり、猫がそばにいるというだけで比較的満足できるためそれでいいのだ、時折顔をあげて猫を眺めたり、私をスルーして通りすぎていく猫に少しちょっかいを出せれば良い)
表紙の絵と中身の絵のギャップに少し戸惑った。
漫画ではこういう表紙詐欺がときどき起きる。詐欺と言っては聞こえが悪いが…
海辺で起きる日常の小さな事件や人間関係が描かれている穏やかで静かな作品。
出来事はあるがほとんど何も起きてないと言っていいくらいで、
細かな描写や少しずつ関わっていくストーリーなどはとても魅力的。
ヴィレヴァンにこの2巻しかなかった気がするが、帰って調べると『夏』という巻があるらしい。時系列的には『夏』が1巻にあたるので大変不本意な思いをしている…
今度『夏』を買いに行こうと思う。

OFFしすぎるOFF

一応社会人になったが職種は見栄張るとフリーランス、正しくはフリーター、ヘタするとニートなので休みの日が会社勤めの人たちより多い。
給与額を考えるとそういった人々より休みが多くてはいけないのだが、まだ親の援助を受けている半人前どころか四半人前くらいの人間なので仕事が入らないと仕事をしない。
というか仕事がない。
普通のコンビニとかのアルバイトをすればいいのだろうが、本業(?)に差し支えるのを恐れてというのが建前、本音はやりたくないことはしたくない…。
なので、平気で連休が頻発するわけで、今も5連休目にあたる。
しかし不定期で急に仕事が発生する職種であるため、ここはがっつり5連休だなって1ヶ月前にわかったりするものでもないので旅行に行ったりはできない。そもそも金もない。
休みになると夜更かしをする癖が小さい頃から治らない。
両親が共働きで夜しか一緒に過ごせず、またその親が夜更かし体質で休みの日は昼まで眠るという生活リズムだったため私もすっかりそれが染み付いてしまったのだ、と思う。
おかげで今も何もない日は昼まで、下手すると夕方くらいまで寝ている。
過眠の気があるので12時間睡眠は余裕でかましてしまう。
一人暮らしになってからは誰もご飯を用意してくれないので、
眠りすぎる→ご飯食べない→糖分足りない→起きれない→眠りすぎる
という一人暮らしにありがちな負のスパイラルに陥る。
これは下手すると死んでしまうので本当によくない。
一度本当に死ぬかと思ったときがあった。血糖値は大切です。
あと仕事柄帰宅が深夜ヘタすると早朝なんてことがよくあるので、そんな時間に帰って次の日休みだと昼や夕方まで眠ってしまうのは仕方ない…と言い訳したい。
そこから生活リズムがどんどん狂ってしまう。
とはいえ、何もない日を本当に何もせず過ごすのはやめたいなと思う。
何もせずというのは語弊があるが、DVD見て漫画見てネットしてくらいのことは何もしてないと同義である気はする…自分はインドアなんだなあとつくづく思う。

2013年9月12日木曜日

『46億年の恋』鑑賞


『46億年の恋』三池崇史監督

三池作品を見直そうの会第2弾。
最近の作品かと思っていたけど意外と2006年とかなんだな…松田龍平が若いなと思ったら。
映画というより映像作品というかCM出身の人とかが好みそうな演出。
ちょっと前まではこういうのはもっぱら嫌いでしたが、最近はそうでもなくなった。
単純にとても綺麗な映像だと思いました。
同じセリフ、シーンの反復が印象的。
文字も効果的でした。
舞台のような抽象空間は嫌いではない。ドッグヴィルを彷彿とさせる監獄。
話は正直いまいち理解しきれなかった。

『殺し屋1』鑑賞



『殺し屋1』三池崇史監督

『悪の教典』が存外におもしろかったので三池崇史監督作品を見直そうの会。
といっても、なぜ三池崇史監督に勝手に苦手意識を持っていたかは謎。
これもとてもおもしろかった。
ビデオエフェクト系の演出は好みではないのだが、あまり嫌ではなかった。
グロいのは平気なのだがスプラッタが苦手で、つまり臓器とか血がぐちゃぐちゃになった状態を見るのは平気だが、刃物で切られる瞬間とか刺される瞬間とか拷問とかが苦手。
だから結構そういう瞬間を誤魔化すことなく描いていたためぎゃーっと思ってしまうところは多々あったが…
でも血がどぴゅーとかのシーンなのに笑えてしまう。いい意味で。
大森南朋はこういう弱々しいぼやーっとしたキャラが似合う。
兄の大森立嗣作品に出るときは概ねそういう役なので、やはり兄弟だからわかっているのか…。
塚本晋也もよかったな。
キャラクターを活き活きと描くのがうまいのかなあ、三池監督は。
どのキャラクターも愛着がわくというか、なんというか。
音楽もよいと思ったら山本精一や山塚アイなど。

『共喰い』鑑賞


『共喰い』青山真治監督

芥川賞をとった田中慎弥原作。
山口県下関市が舞台で、北九州サーガを撮っている青山真治の世界観とうまく符号していると思った。
光石研演じる父親の円が怖くて仕方がない。
田舎の豪快で性慾の匂いがする家長意識が強い親父というのはどうしてもこうも怖いのだろう。血と骨のたけしに通ずる恐ろしさ。
目を背けることなく性へ真っ直ぐ向き合った作品だが、いやな下品さはなかった。
釣り竿やうなぎといった男性器を彷彿とさせるモチーフがうまくメタファーに使われていた。
主演の菅田将暉がすごくよかった。魅力的な目をしている。
ロケーションも美しく、遠馬の思春期の葛藤や抑圧がみずみずしく伝わってきた。
音響もとてもよかった。
なんとなく見終わったあと愛しい気持ちになった。不思議。
しかしレディースデーなのに、レイトショーとはいえ人が少なかった…

2013年9月8日日曜日

展示とは

先日久々に写真展に行った。
新宿で時間が余ったからコニカミノルタの無料ギャラリーに立ち寄っただけだが。
綺麗に額装された写真がきっちりと壁に飾られている。
静かな空間で作家本人に監視されながら立ったまま鑑賞するのはとても居心地が悪い。
写真は本来もっとパーソナルで生活に近く、身近な記録であり、そういった写真の方が人々は接する時間が多いはず。
とはいえ写真(特にプリントしたもの)は扱いに注意するもで、インスタントカメラで撮ったものでも、指紋がつかないようにとか、なくさないようにとか、比較的大事に扱うものである認識が誰にでもあるはず。
デジタルネイティブにとってはどうかわからないが、私はギリギリフィルムカメラで撮られた写真をアルバムに貼るという体験を持つ世代である。
高尚なお芸術とゴミとの中間くらいの扱いが写真にはちょうどいいと思うのだが。
あ、芸術作品とゴミは紙一重だった…
写真は芸術か否か論争はもはやどうでもいいのだが、
展示、提示の仕方や形式などもう少し進化してもいいような気はする。
あとデジタル写真をプリントするか否か論争もある。
ディスプレイで見るのは展示という形態には全くもって不向きであるが、
個人的に家などで写真を鑑賞するには十分であり、いまや写真集(それはまた本という媒体の魅力もあって、複雑だが)よりもウェブサイトで見ることに意義もあったりなかったり。本より複雑なみせ方ができるであろうことは確かであるが、写真そのものだけでなく提示の仕方も作品のうちになってきて、これまた難しい問題に発展する。本でもしかり。
とにかく言いたいことは、ギャラリーの壁に貼られた写真を立って鑑賞するのは居心地が悪いからどうにかしたほうがいいということだ。

2013年9月5日木曜日

『さよなら渓谷』鑑賞


『さよなら渓谷』大森立嗣監督

鑑賞したのは公開直後でしたが、思い出したので記録。
大森監督の一歩引いた感じの客観的な演出が、感情的で一人称っぽいストーリーとあまり相性がよくなかったのか…
回想シーンが多いからか暗転が多く、その度に気持ちがはなれてしまって残念。
真木よう子の男らしい雰囲気があまり合っていなかったような?
回想シーンのロングのカツラの違和感も…真木よう子の顔が小さすぎるのかな。
大西信満の男臭い色気はすごい。

『夏の終り』鑑賞


『夏の終り』熊切和嘉監督

熊切和嘉監督の大ファンなので大変な期待を胸に観て参りました。
満島ひかり演じるヒロインのなんとも奔放で自立しているようで依存もしていて、わかるんだけど、もっと共感できる部分があればよかったのだが、いまいち感情移入できず。
美しい光や心情を表した音の演出、トリッキーなストップモーションや時制の飛躍など挑戦的な演出でした。
アンテナの頃からワンカットで照明がガラっと変わって回想シーンに突入したりする演出はあって、それがすごく好きなので、その進化というか挑戦が観れてよかった。
今までの熊切監督の作品と少し印象が違って、期待はずれに感じた部分は、熊切監督のインタビューを読むと腑に落ちるというか、こういうことを考えてそうしたんだなって納得はできる。
でも、熊切監督のじっくり重苦しい演出が好きな私は、今回の風通しよく試みた演出にはまらなかったようです…
タバコを吸っている姿はみんな様になっていてとてもよかった。
満島ひかり演じる知子が藍染めをしているところの凛とした横顔がすごく美しかった。

『横道世之介』鑑賞


『横道世之介』沖田修一監督

いい映画でした。
撮影がめちゃくちゃいいなと思ったら、近藤龍人さんでした。
ラスト、しょうこちゃんが見返した写真をなぞるように世之介が道を進みながら写真を撮っていく演出は素晴らしい。
登場人物に感情移入できて楽しい映画。

2013年8月24日土曜日

『悪の教典』鑑賞


『悪の教典』三池崇史監督

存外によかったなー!
三池監督作品はなんとなく苦手意識があったんだけど、と思ったけどそんなに過去作品観たことないので何でそう思ったのかはよくわからない。
伊藤英明がよかった。『悪人』の妻夫木に続く新境地開拓。
いい意味で的はずれなBGMが流れる演出が好きなので、
殺戮シーンであの音楽はとてもよかった。
夢のシーンとか、銃がしゃべるのとかもそんなに違和感なく受け入れられたなあ。
映像が綺麗だったし編集もかっこよかった。
いい演出だったなあと思います。
サスペンスとかホラーとかの部分はどうでもよく、
エンターテイメントに長けていた。
殺戮シーンはR-18くらいにしてもっと怖くして欲しかったな。
山田孝之がパンツの匂い嗅いだところには笑った。
あと林遣都のゲイシーンごちそうさまでした。

『その夜の侍』鑑賞


『その夜の侍』赤堀雅秋監督

やっぱり舞台っぽいなあという印象。
ストーリー展開とか台詞の感じかなあ…何かは明確に言えないけども。
ラストの上手いことオチついてる感?なんだろなー?
役者がどれもはまっていたのはすごくよかった。
山田孝之はこういうダメな男の役がすごく似合うなーと思う。『乱暴と待機』しかり。
安藤サクラが歌が上手かったのが笑った。

2013年8月21日水曜日

蕎麦の話

今日、起床すると既に15時だった。
明け方に仕事が終わり、帰宅して素っ裸のまま電気も消さず眠ってしまったらしい。
夜ご飯もろくに食べていなかったので久々に血糖値が足りない感じがする。
低血糖になるとフラつき、動悸がし、手が震える。
ひどいときは目の前が白いもやに覆われてチカチカする。
だいたい過度の睡眠のせいで長時間何も摂取していないとそうなるので、低血糖か軽い脱水症状なのだろうと判断しているが、よくわからない。
1度本当に死ぬかと思ったときがあったが、そのときは24時間眠ったあとだった。
こうして室内で熱中症になって死んでいくのかな、と思う。

妙に蕎麦が食べたい気分だったので近所の蕎麦屋に行く。
ラーメンとカレーも頭をよぎったが、蕎麦に落ち着く。
自宅から歩いて数分だがまだ一度も行ったことがない店。
佇まいは昔ながらの雰囲気で、店先に本日のオススメが掲示されている。
釜シラス丼か…江ノ島行ったとき食べたけど大して美味しくなかったな…
店に入ると蕎麦屋っぽくない見た目のお兄さん、と言っても30〜40歳だと思うが、が出迎えてくれた。
蕎麦屋っぽくない見た目というと、ちょっと長めの髪でワンレンなだけだが。例えると漫画のワンピースに出てくるクロコダイルみたいな髪型。
店内に他に客はおらず。そりゃそうだ、16時なんて微妙な時間だ。
蕎麦屋はメニューが多いから悩む。
テレビではNHKの尾野真千子と森山未來のドラマの宣伝が流れていてそっちにも気を取られる。でもうちにテレビはないから見れない。
お腹が空いていたのでたくさん食べたい。
しかしこういうときにたくさん頼んでも結局最後の方しんどくて吐きそうになる。
と思いながら血糖値をあげたい一心でセットものを選ぶ。
散々悩んだあげく、温かいきつねそばとミニカレーのセットにする。
カレーもちょっと食べたかったから一石二鳥だった。四字熟語をナチュラルに使う程度には感動的な出来事である。

料理が来るのを待っている間に数人お客さんが入ってくる。
私が店に入るとそれまで空いていたのに急にお客さんが立て続けにくることがよくある。
自意識過剰かもしれないが、私は招き猫的な要素があるんじゃないかと踏んでいる。
しかし、店員として店にいると全然客が来ない。
派遣で販売系をいくつかしたが、いつも店舗の人に「今日はなんかお客さん少ないなあ」と言われる。
私はあくまでもお客さんとしていなければならないらしい。

そんなことを考えていると蕎麦が運ばれてくる。
縦長に切ったネギが浮いていて珍しい。
美味しかったが、「あ、しょっぱい」と思った。
そうだ、東京の蕎麦汁は醤油味なんだ…
西日本(石川県)出身だからダシというかめんつゆというか、そういう味で育ったから、東京というか関東の醤油味の汁には衝撃を受けた。
東京に住んで5年目だがすっかり忘れていた。
上京してすぐ高円寺の駅前にある安い蕎麦屋で食べたときにその衝撃を受けた。
しかし、大学の学食は汁を全部飲める程度にはしょっぱくなかったが、あれは醤油だったのだろうか。
ラーメンとか蕎麦うどんの汁は全部飲む派のデブ体質なのだが、さすがに飲めなかった。
美味しかったが、やはりダシ味の方がいいなと思うのだった。
カレーは定食屋っぽいもったりした小麦粉っぽいルーで美味しかった。
結局、やはり食べ過ぎてしんどかった。
お店の人がこまめに水を入れてくれたから水も飲み過ぎた。

帰りにスーパーでアイス4つ(かき氷系)と葡萄とカットスイカを買って帰った。
私は孫が遊びに来るおばあちゃんなのだろうか。

2013年8月18日日曜日

花火大会の思い出


神宮外苑花火大会に行った。
今年は隅田川花火大会も行ったのだが大雨で中止になった。
ネットで穴場を探したけど、ネットに載ってる時点で既に穴場ではないことはうすうす感づいていて、それでも打ち上げ会場周辺よりは各穴場は混雑していなかったが。
結局打ち上げ会場周辺に行って最も混雑しているところから少し歩いて
たまたま辿り着いたところが最もよかった。
出店もあまり混雑しておらず、ビール片手に座って眺めることができた。

東京に住むと花火の打ち上げ会場まで電車でさらっと行けるから、
いっそもうそこまで行ってしまおうと間近で見た記憶が多い。
地元の花火大会は川の下流が打ち上げ会場で、実家はそれよりも少し上流にあった。
川はまっすぐ流れていて、一定間隔で橋がかかっている。
実家のすぐそばをその川は流れていて、橋もあった。
いつも家族で橋の上から花火を眺めていた。
そういえば、花火といえば光と音がずれているものだった、ということを思い出した。
すっかり忘れていた。
いつも打ち上げ会場から離れた場所から見ていたから、
花火が上がってから遅れて音が届いていた。
小さく上がる花火と遅れて聞こえるくぐもった音も中々よかったなと思う。

2013年8月16日金曜日

『私の優しくない先輩』鑑賞


『私の優しくない先輩』山本寛監督

最初のミュージカルシーンはいいなって思ったが、
そのあとたまに出てくるファンタジーな演出はあまりハマってなかったな。
あまり趣味に合わず。川島海荷はもっと可愛いはず!

『ドレミファ娘の血は騒ぐ』鑑賞




『ドレミファ娘の血は騒ぐ』黒沢清監督

どういう風に受け止めていいのか戸惑ってしまった。
個人的な趣味でいえば『神田川淫乱戦争』の方が好きだ。
構成的というか絵画っぽいカットや、舞台っぽい照明とかすごくかっこいい。
観るのに体力を消耗する。

2013年8月14日水曜日

『たまもの』鑑賞




『たまもの』いまおかしんじ監督

元々は『熟女・発情 タマしゃぶり』といういかにもなタイトルのピンク映画だったのが、評判がよく改題して一般劇場公開となったそう。
林由美香の存在は平野勝之監督の『監督失格』で知り、その後松江哲明監督のドキュメンタリー『あんにょん由美香』も観る。
その『あんにょん由美香』に『たまもの』が少し出てくるのだが、その数場面を観てわたしは絶対にこの映画が好きだと思い渋谷のTSUTAYAに行ってレンタルしてきた。(最寄りのTSUTAYAにはなかった)
果たして、やはり、とても好きな映画だった。
ドラマティックで派手な映画も好きなのだが、本当にいいなと思うのは台詞が少なくて展開もそんなに大きくはないし、起こっていることも地味なんだけれど、登場人物が魅力的で画も美しい映画。
まさにこの映画はそうでした。
林由美香が本当に魅力的で、静かにゆっくり進む物語も、なんだか可笑しな設定や、最後のあっけない感じもすごく心地よかった。
いまおかしんじ監督の他の作品も観たい。

ピンク映画といえば、昔(と言っても5〜6年前)WOWOWでやっていたピンク映画も画の感じがすごく好みでなんとなく憧れみたいな感情を抱いているのだが、タイトルも監督もすっかり忘れてしまって悶々としている。
トンネル?の向こうに見えるやたらと青い海が印象的だった。
海での濡れ場があったことと、追われているヒロインがいたことと、「濡れる」だかなんだかそんな感じのタイトルがついていたことと、
観た直後に監督を調べたら瀬々監督の下についていた人だった気がする。
それだけの情報量では全然調べられなくて困っている。

『風立ちぬ』鑑賞


『風立ちぬ』宮崎駿監督

都心に引っ越してから映画館に比較的に行くようになったが、学生ではなくなったため料金が1000円になる映画の日かレディースデイにしか行けない。
しがないフリーターには一般1800円という値段はつらい。
そんな貴重な1000円の日に何を観ようか考えた結果、いい評判を聞いていた『風立ちぬ』を観に行った。
上京してすっかりテレビを見なくなり、更に家電付きの物件から引っ越してからはテレビを持ってすらないので情報源はインターネットと口コミだけ。
一応あらゆるニュースサイトをフィード登録はしているものの、毎日チェックするわけではなくたまにざっくりとまとめて見るため情報にどんどん疎くなっている。
毎日チェックするのはSNSだけで、ツイッターで流れてきた『風立ちぬ』関連のツイートで初めて存在を知り、なんとなくいい評判らしい、しかもユーミンのひこうき雲が主題歌なのかー、歴史物も嫌いではないし、他に観たいのないしちょうどいいやって感じで観に。
結論から言うと、めちゃくちゃいい映画でした。
こんなに映画館で泣いたことないってくらい泣いた。
途中からずっと涙ながしっぱなしで、最後には嗚咽漏らす始末…
隣がリアクションの大きいおじいちゃんでしたが、結婚式のシーンではメガネを外して目頭を抑えていた。
そりゃそうだ!感動しないわけない!
庵野秀明の平坦な演技が気にかかるが、それも次第に慣れてきて二郎には合っているのかなとも思ったが、それでももうちょっと上手い方が私の好みではあるけれど。
冒頭の関東大震災の描写がめちゃくちゃ怖かった。
あと人間の声によるSEもよかったと思う。
何度も観たくなる映画です。

淡々と、粛々と

淡々と、粛々と、日々のよしなしごとを、徒然と。
定期的に訪れるブログ欲を消化します。
今までブログは長続きしたことないですが、
日課にならずとも、週課、月課くらいになればいいです。
くだらないことを、さもくだらなく。
どうでもいいことを、さもどうでもよく。
一日に何件も投稿したかと思えば数ヶ月更新が途絶えることも目に見えますが、
突き動かされるまま、思うがまま。